これだけは知っておきたい合奏用語かんたん解説!! 第5回 アーティキュレーション
指揮者「アーティキュレーションがちょっとバラバラだね。少し揃えて」
奏者(”アーティキュレーション„ってなんだ??)
皆さんこんにちは!
このブログの筆者のドミトリーです!(^^)/
このシリーズは合奏用語解説と銘打ちまして、吹奏楽の合奏でよく使われる言葉について解説をしています。
初めて合奏に加わる人にもわかるよう簡単に解説しますので、この記事を読んで指揮者の言っていることをどんどん理解していきましょう!(^^♪
前回の第4回では、「アウフタクト」について解説しました。
指揮者に「アウフタクトから吹いて」って言われたけど、どこから吹いたらいいかわかんないよ(´;ω;`)
という方向けに、たくさんの実例を使って説明しています。
ぜひご一読ください。(^^♪
さて、第5回の今回は「アーティキュレーション」について解説します。
演奏においてアーティキュレーションは非常に重要で、合奏は演奏者のアーティキュレーションをそろえる場と言っても過言ではありません。
それだけに、合奏ではアーティキュレーションに関係する言葉が多く使われます。
そこで今回は
・「アーティキュレーション」って何?
・音の形(アタック、コア、リリース)について
・「アーティキュレーション」の種類とそれぞれの演奏方法
・「アーティキュレーション」を演奏するときの注意点
について解説していきます。
この記事を読めば、アーティキュレーションは完璧!
アーティキュレーションの意味を理解して、表現力をアップさせましょう(^^♪
ーーー簡単な自己紹介ーーー
私は現在とある一般サークルのバンドで指揮者をしています。
しかしこれまで音楽の勉強を真面目にやったことがない「愚か者」でした。
ドラッカーの本を読んで、これを猛省し、現在は音楽の勉強をするようになりました。
ここでは音楽初心者から経験者まで、ご自身の音楽活動に役立つように、私が勉強したことをわかりやすく発信していきます!
- Ⅰ.「アーティキュレーション」ってなに?
- Ⅱ.音の形(アタック、コア、リリース)について
- Ⅲ.「アーティキュレーション」の種類とそれぞれの演奏方法
- Ⅳ. 「アーティキュレーション」を演奏するときの注意点
Ⅰ.「アーティキュレーション」ってなに?
「アーティキュレーション」とは、楽典の本では以下のように書かれています。
『楽譜を「芝居の台本」にたとえるならば、音符はセリフです。このセリフをどんなニュアンスで読んだらいいのかを指示するのが、記号や言葉(標語)達なのです。』
ここで言う記号や言葉達の中にアーティキュレーションは含まれています。
音符のニュアンスとはどういうことでしょうか?
アメリカの大衆民謡である「オーラ・リー」をもとに、アーティキュレーションを変えてみましょう。(音源は筆者の私が「EWI5000」という楽器で吹いたものです。)
アーティキュレーションがないときはこんな感じ。
例えばこれに「スラー」というアーティキュレーションを加えるとこんな感じになります。少し優雅な雰囲気がある気がしませんか?
「スタッカート」というアーティキュレーションの場合ではこのようになります。
こちらでは少し急いたような雰囲気を感じられますね。
アーティキュレーションが変わることで音の表情が変わることを感じていただけたでしょうか?
このように、アーティキュレーションによって曲の雰囲気はガラッと変わります。
では、実際にはどういう風に音に表情を付けているのでしょうか?
Ⅱ.音の形(アタック、コア、リリース)について
音の表情は、音の形(音形)を変えることでつけています。
音形の各部位のことを「アタック」、「コア」、「リリース」といいます。
人が目や口と言った部位を変化させて表情を表現するのと同じように、
音は「アタック」、「コア」、「リリース」を変化させて表情を表現します。
それぞれの意味は以下の通りです。
・アタック:音の始まりの部分(音の立ち上がりともいう)
・コア :音が継続している部分
・リリース:音が終息する部分
上の三つを図に示すと下図のようになります。
基本の音形では以下の4つが重要とされています。
①アタックがはっきりしている。
②アタック、コア、リリースを足したトータルの音の長さが音価と等しい。
③コアの長さは音価の4分の3程度(4分の3はあくまで目安)
④リリースの長さは音価の4分の1程度(4分の1はあくまで目安)
この中で、特に①と②は非常に重要です。
アーティキュレーションにかかわらず常に守るべきこととされているので、ぜひ覚えておきましょう。
基本的には上記の③と④に加え、時には音量を変化させることで音に表情を付けます。
Ⅲ.「アーティキュレーション」の種類とそれぞれの演奏方法
それでは、表情の付け方が分かったところで、
それぞれのアーティキュレーションがどういう意味で、
どのように演奏すればよいのかを解説していきます。
アーティキュレーションは先に説明したように、あくまでニュアンスを指示するものです。
そのため、必ずこう演奏しなければならないという決まりはありません。
よって、基本的には先ほど説明した「音形」を用いて解説しますが、解釈の幅をより分かりやすくするために、いくつか実例も交えて解説していきます。
なお、各項目の『』の部分は㈱トーオン編集部著 「ありそうでなかった形から引ける音楽記号辞典ジュニア」から引用しております。
(1)スラー
音楽記号辞典でスラーは
『ふたつ以上の高さのちがう音につけられており、その部分にある音と音の間をなめらかに演奏します』
と説明されています。
「なめらかに演奏する」とは、タンギングやブレスで音を区切らずに、
一息で吹いてしまうということです。
この時の音形は下図のようになります。
スラーの音形は、息を入れっぱなしなので、コアが大きく伸び、ついにはリリースを完全に飲み込んでしまいます。
その結果、音量はアタックからずっと保った状態になります。
通常スラーは複数の音にまたがりますので、その際の音形は下図のようになります。
音形のリリースに着目すると、通常ではすべての音にリリースがありますが、スラーで音がつながると、
リリースがなくなって音形はただの長方形になります。
しかし、最後の音はコアの伸長をしないので、リリースが現れます。
ちなみに、音の高さが同じ2つの音の場合は「タイ」と言って、「2つの音を1つの音として演奏する」という意味になります。
間違えないように気を付けて下さい。
ではスラーは実際にどのように使われているのでしょうか?
実例を見てみましょう。
ドボルザーク 交響曲第9番 「家路」
Dvořák - Symphony No.9 in E minor, Op.95; B 178, 'From the New World'
二楽章「家路」は10:07~です。
楽譜にした10:59~の大変有名な旋律では、スラーが使われています。
スラーが付くことによって、ゆったりとした音楽がより広がりをみせています。
遠いアメリカの地で故郷のチェコを想ったドボルザークの心情が、スラーによって引き立てられていますね。
このように、スラーを使うことで長いフレーズが大きな一つのまとまりとなって、優雅な雰囲気を引き出す場面は多いです。
チャイコフスキー 『くるみ割り人形』より「花のワルツ」
Waltz of the Flowers - Tchaikovsky
この曲も大変有名ですね。
楽譜の部分は1:36~で、スラーを1小節ごとに区切ることで、ワルツの独特のリズム感が強調されています。
優雅なワルツのイメージが湧きたちますね。
この曲はバレエ音楽として作曲されました。
お菓子の国の宮殿で、金平糖の王女の侍女たちが華麗な舞踏を披露するという場面の踊りに使われる曲です。
メルヘンチックな雰囲気を持ちつつも、華麗なバレエをしっかりと引き立てるとても素晴らしい曲です。
このように、短い間にスラーを複数入れることで、リズムが際立つこともあります。
同じスラーでも先ほどとは印象が異なりますね。
(2)スタッカート
音楽記号辞典でスタッカートは
『この記号がついた音符を、短く切って演奏することを表す。』
と説明されています。
上の音源を聞いていただくと、少し音が短くなっているのが感じられると思います。
では、スタッカートの音形を見ていきましょう。
スタッカートの音形で特徴的なのは、コアが短くなっている点です。
音が短くなったようなニュアンスは、コアを短くすることで表現することができます。
スタッカートのコアの長さはおおよそ音価の半分程度がよいとされています。
次に、リリースの長さに注目してください。
リリースは通常よりも長くなっています。
これは、「音のトータルの長さは音価と同じ」というルールによって、コアが短くなった分、リリースが長くなっています。
そして最後に、リリースの形に注目してください。
リリースの形は、最初で急激に音量を落とす形となっています。
こうすることで、音量にメリハリが生まれ、音がはっきりと際立ち、音が短くなった感じがより聴衆に伝わります。
スタッカートは「単純に音を短く演奏する」ととらえている奏者も多いと思います。
しかし実は、スタッカートがついても音の長さは同じで、音価に変化はないのです。
スタッカートがよく短めに解釈されるのは、スタッカートの説明として
「その音の半分の長さの音として演奏する」
という表現がされていることが原因だと思います。
今回参考にした音楽辞典にも明確にそう表記されていました。
しかし、これは非常に誤解を生む表現だと思います。
スタッカートがついた四分音符と、普通の八分音符の音形を見てみましょう。
このように、それぞれの音形は全く異なります。
特に音の長さの違いが顕著です。
当然八分音符として演奏した場合には音価は半分になってしまいます。
また、コアの長さも短くなるので、全体的に短すぎる印象になってしまいます。
上記のことを考慮すると、スタッカートの説明としては、
「コアの長さを音価の半分とする」
と表記するのがベターだと思います。
が、すでに広く使われている表現を変えることは難しいでしょうね。(´;ω;`)
この記事を読んでいただいた皆さんは、ぜひスタッカートの時は
「音価の半分まで音を保つ」
くらいの心意気で演奏してください!
では続いてスタッカートの実例を見ていきましょう。
ベートーベン 『交響曲第6番 田園』より 第1楽章
ベートーヴェン - 交響曲 第6番 ヘ長調 Op.68《田園》 カラヤン ベルリンフィル
楽譜は0:40~の部分
この曲ではスラーとスタッカートが組み合わさることで、生き生きとしたリズムを演出しています。
この曲には各楽章に副題がついており、第1楽章には
「田舎に到着したときの愉快な感情の目覚め」
という副題がついています。
スタッカートとスラーが組み合わせによって、愉快な感情を非常にうまく表現していますね。
ベートーベンの曲としては珍しく非常に優雅な曲で、非常に人気のある曲です。
ちなみにこの曲はベートーベンの有名な交響曲第5番『運命』と同時に初演されています。
『運命』の重苦しい雰囲気と対比すると、より『田園』の穏やかな雰囲気が引き立てられますので、ぜひ一度聞き比べてみてください。
エルガー 『威風堂々』
エルガー:「威風堂々」第1番:シノーポリ/フィルハーモニアO
楽譜の部分は1:57~
この曲も大変有名ですね。誰しもが一度は聞いたことがあると思います。
特にこの曲の中間部(トリオ)は有名で、非常に荘厳な雰囲気の行進曲となっています。
スタッカートはなんとここにも使われていて、伴奏の四分音符すべてにスタッカートが記載されています。
これを聞いていただければ、ご自身の想像する四分音符のスタッカートよりも、音が長いと感じていただけるのではないでしょうか?(八部音符よりは長めになっている)
スタッカートの四分音符と普通の八部音符は異なるということのわかりやすい例ですね。
このように、スローテンポの曲ではアーティキュレーションがより際立ちますので、正しいアーティキュレーションの音形を理解しておきたいですね。
(3)テヌート
音楽記号辞典で テヌートは
『この記号がついた音符を、十分に保って演奏することを表す。』
と説明されています。
「十分に保つ」とは、その音を音価いっぱいに伸ばすという意味です。
上の音源でも、音が少し長くなったような雰囲気で、スラーと少し似ていますね。
しかし、スラーとは大きく異なる点があります。
それは、「次の音とはっきり分かれている」という点です。
テヌートの音形を見てみましょう。
テヌート音形の成り立ちはスラーと似ていて、音を保つためにコアを長くしています。
そして、その分リリースが短くなっています。
また、リリースが短くなった分、減衰は急激になっていますね。
スタッカートの項でも説明しましたが、急激に音を小さくすると、その音ははっきりと聞こえるようになります。
つまりテヌートは、
「音を十分に保たせつつ、はっきりとした音」
という印象になり、次の音と明確に区別して演奏します。
一方スラーは、次の音となめらかに繋げるものでしたので、その点が異なります。
スラーとの違いは複数の音に連続でテヌートがついた場合に顕著になります。
このように、テヌートの場合ではすべての音にリリースが付き、かつリリースの音の減衰も一瞬なので、音が非常に際立って区別されます。
一方、スラーではすべての音がつながっており、リリースは最後の音だけです。
ではテヌートの実例を見ていきましょう!
ムソルグスキー 『展覧会の絵』より「プロムナード」(編曲:ラベル)
Mussorgsky Pictures at an Exhibition Herbert von Karajan
楽譜は0:00~の部分
『展覧会の絵』でも特に有名なこの「プロムナード」の旋律には、テヌートがたくさん使われていています。
『展覧会の絵』はいくつかの絵画をモチーフにした組曲ですが、「プロムナード」は展覧会にきた人が、絵を巡回するために歩いている様子を表したもので、次の絵に移る前に必ず演奏されます。(全部で5回も演奏されます。)
荘厳で静かな展覧会の雰囲気を、テヌートによって非常にうまく演出されていますね。
リムスキー=コルサコフ 交響組曲『シェエラザード』より第1楽章
Rimsky-Korsakov: Scheherazade, Karajan & BPO (1967) リムスキー=コルサコフ「シェヘラザード」カラヤン
楽譜の部分は3:17~
非常に美しい旋律で知られる『シェエラザード』。
この曲にもテヌートは効果的に使われています。
『シェエラザード』は「アラビアンナイト」として知られる「千夜一夜物語」を題材にした楽曲です。
~千夜一夜物語のあらすじ~
妻の浮気で女性不信となってしまった王様は、毎晩生娘を宮殿に呼びつけて一夜を過ごしては、翌朝に処刑していた。とうとう町に生娘もいなくなり、大臣が困り果てたとき、大臣の娘のシェエラザードが王の愚行をやめさせるため王との結婚を志願する。
シェエラザードは毎晩命がけで、王に興味深い物語を語るが、物語が佳境に入った所で「続きはまた明日。」と話を打ち切る。
王は新しい話を望んでシェヘラザードを生かし続けた。
そして、千と一夜の物語を語り終える頃には二人の間には子どもが産まれ、王は彼女を正妻として迎え入れ、王の悪習は終わるのであった。
『シェエラザード』の各楽章には副題が存在していて、この第1楽章は
「海とシンドバッドの船」
という副題がついています。
冒頭は恐ろしい王様の旋律から始まり、その後、0:55~よりシェエラザードの美しい旋律が挿入されます。
その後は王様の旋律が変化しながら、うなるような海の様子が演出されます。
つまり、ここはシェエラザードが王様にシンドバットのお話をしている場面ということですね。
シンドバットは船に乗って島を渡り歩く商人のお話です。
荒れ狂う海によってシンドバットの情景が想起されますね。
そしてついに楽譜の3:17~の旋律が演奏され、3:34~はシンドバットの船の旋律となります。
シンドバットの物語の始まりはこうです。
島々を回る商人であるシンドバットは、とある島で美しい泉を見つけ、そこで一休みすることにします。
あまりの心地よさにそのまま寝てしまい。ふと目が覚めると仲間は誰もおらず、船はシンドバットを置き去りにして出てしまっていました。
シンドバットは仲間のもとに戻るために様々な冒険を繰り広げていきます。
このテヌートによって、うっかり寝てしまうほどの心地よさが非常に巧に表現されていますね。
そしてゆったりとした海のテーマと同時に船のテーマが演奏されることで、
シンドバットをほったらかして、悠々と船が出て行ってしまう様がありありと伝わってきます。
たった4小節のテヌートですが、背景を考えると非常に奥深い表現であることが分かりますね。
(4)アクセント
音楽記号辞典でアクセントは
『記号の付いた音を特に強く演奏することを表す』
と説明されています。
上の音源ではアクセントのついている音が確かに大きくなっていますね。
では音形はどのように変化しいるのでしょうか?
アクセントの音形を見てみましょう。
アクセントは上図のように、アタックの音量を少し大きくしたような音形をしています。
肝心なのはコアは通常の音量と変わらないということです。
アタックを大きく演奏したら直ちに元の音量に戻るようにしましょう。
こうすることで、全体の音量感は一定のままにその音だけを強調することができます。
また、状況によって、アタックの音量をどのくらい持続するかは変わりますが、あまりに長く強い音を持続させてしまうと、逆にあまり目立たなくなってしまうので、気を付けてください。
ではアクセントの実例を見ていきましょう!
ウェルディ 歌劇『運命の力』序曲
Verdi -La forza del destino -ouverture (ed. 1862)
歌劇『運命の力』は登場人物全員が、まるで運命で定められているかのように死に追いやられてしまうという、とても胸が苦しくなるような歌劇です。
この冒頭のE♭のユニゾンは、そんな悲しくも逃れられない冷酷な運命を力強く象徴しています。
アクセントが付くことで、運命の逆らうことのできない理不尽な力強さを巧みに表現していますね。
ストラヴィンスキー 舞踏曲『春の祭典』より第2曲 「春の兆しと乙女たちの踊り」
Le Sacre du printemps / The Rite of Spring - Ballets Russes
演奏開始は4:37~
楽譜の部分は8:00~
『火の鳥』、『ペトルーシュカ』と並んで、この『春の祭典』が特に有名ですね。
『春の祭典』は奇抜な音楽と演者のメイク、さらには、これまでのつま先立ちや高いジャンプを使った「重力からの解放」とは対照的に、地面を踏みしめたり、這いずり回ったりするような奇妙な踊りです。
初演時には暴動が生じたというエピソードがあり、その衝撃度合いは計り知れませんね。
さて、この第2曲「春の兆しと乙女たちの踊り」では、まさに地面を踏みしめるようなダンスを踊る場面です。
当時の固定観念とは完全に逆行するその様が非常に力強く表現されています。
また、アクセントが不規則に入ることで、おぞましさや、奇妙さをより際立てていますね。
Ⅳ. 「アーティキュレーション」を演奏するときの注意点
ここまではアーティキュレーションの音形や演奏方法について説明してきました。
最後に、アーティキュレーションを演奏するときの注意点について説明します。
アーティキュレーションは音形を変形する必要があるため、その演奏にはある程度の技術が必要です。
さらに、合奏でもよく取り上げ得られるものなので、練習者にとっては大きなハードルになることもしばしばです。
このような背景から、
アーティキュレーションを演奏するときに
技術的な面を中心に考えてしまう人
がいます。
これは大きな落とし穴なので気を付けましょう。
アーティキュレーションを演奏する前に
「なぜそのアーティキュレーションが指示されているのか」
という背景を知ることが重要です。
なぜなら、アーティキュレーションは音の表情のニュアンスを示すもので、その指示は非常に曖昧だからです。
曖昧だからこそ、その表情の裏にある心情やメッセージをくみ取ってアーティキュレーションを解釈してください。
今回の実例紹介では、その曲の背景や作曲者の意図が、アーティキュレーションによって非常に効果的に表現されていることを理解していただけるように気を配りました。
「スタッカートがついているから音を短くする」というだけの短絡的な考えではなく、
「どうしてここにスタッカートを付けたのだろうか?」
とぜひ一度考えみましょう。
頭をひねってもよくわからない場合は、指揮者や先生に聞いてもよいです。
作曲者の音楽性は非常に豊かです。
ぜひアーティキュレーションの裏にある心情や意図をくみ取って、音楽の広い可能性や豊かな表現力に触れてみてください。(^^)/
ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。(#^^#)
これでもうアーティキュレーションは怖くありません!
合奏ではぜひ指揮者に「このアーティキュレーションの意図は何でしょうか?」と質問してやりましょう!
さて、次回はリズムの練習で必ず聞くことになる「シンコペーション」について解説します。
ぜひご一読ください!(^^)/