超簡単!!(総集編)これだけは知っておきたい合奏用語かんたん解説!!
指揮者「Aのアウフタクトのベーの音はシンコペーションだからもっと大きく吹いて、あとピッチももう少し合わせてほしいな」
奏者(・・・・・は?何て????)
皆さんこんにちは!
このブログの筆者のドミトリーです!(^^)/
今回は、これまで合奏用語解説シリーズで紹介してきた合奏でよく使われる言葉について、これでもかと簡単に紹介していきます。
個別の記事を読む時間がないという方や、サクッと確認したい方はこの記事一つを見れば大丈夫!
簡単に言えば過去記事の総まとめ編となっています(#^^#)
ーーー簡単な自己紹介ーーー
私は現在とある一般サークルのバンドで指揮者をしています。
しかしこれまで音楽の勉強を真面目にやったことがない「愚か者」でした。
ドラッカーの本を読んで、これを猛省し、現在は音楽の勉強をするようになりました。
ここでは音楽初心者から経験者まで、ご自身の音楽活動に役立つように、私が勉強したことをわかりやすく発信していきます!
- Ⅰ.「ベー」って何?
- Ⅱ.「ピッチ」って何?(チューニングについて)
- Ⅲ.「スケール」って何?
- Ⅳ.「アウフタクト」って何?
- Ⅴ.「アーティキュレーション」って何?
- Ⅵ.「シンコペーション」って何?
- Ⅶ.最後に
Ⅰ.「ベー」って何?
合奏に入って最初に聞くワードで、超重要なワードです。
「ベー」とはドイツ語の「シ♭」のことです。
音の名前のことを音名と呼びますが、よく使う「ドレミファソラシ」はイタリア語なので、これをイタリア音名と言います。
つまり、「ベー」はドイツ語なので、ドイツ音名ということですね。
ベーは以外のドイツ音名は下表の通りです。
この表を覚えればドイツ音名は完璧!!!
と思いきや、実は楽器によって、トランペットの「ベー」はド、ホルンの「ベー」はファ、アルトサックスの「ベー」はソと指使いが異なります。
これがあるから指揮者はわざわざドイツ音名を使用しているのですが、「は?どういうこと??」という人はこちらの記事で詳しく解説しているので、ぜひ読んでみてください。
ドイツ音名が分からないと合奏ではかなり困りますので、早めに覚えしまいましょう。
Ⅱ.「ピッチ」って何?(チューニングについて)
合奏が始まったら最初に行う儀式「チューニング」。
このとき、よく「ピッチが高い」とか「ピッチが低い」というような言葉もよく耳にすると思います。
チューニングとは各楽器の「音程合わせ」です。
このとき、各楽器の音程のことを「ピッチ」といい、「ピッチが高い」とは「基準音よりも音程が高いから音程を下げて」という意味になります。
音程を合わせることで、よりハーモニーを美しく響かせることができます。
実際に例を聞いてみましょう。
<チューニングが合ってないカエルの歌>
なんかウネウネしていて濁ったハーモニーになっていますね。
このウネウネのことを「うなり」と言います。
一方、チューニングを合わせるとどうなるのでしょう?
<チューニングが合っているカエルの歌>
美しく響いているのがお判りでしょうか?
うなりが発生する原理や、チューニング合わせのコツについてはこちらの記事をどうぞ
音程を合わせることは合奏において非常に重要です。
しかし、実際に音程を合わせるには非常に高い演奏スキルが必要であり、初心者ではまず不可能です。
そんな時には音量を落として演奏することで難を逃れることができます。
ただし、同時に音程合わせの実力はつかないので、あくまでその場しのぎにだけ使用してくださいね。 ( ;∀;)
Ⅲ.「スケール」って何?
チューニングが終わると「スケール」の練習が始まります。
スケールとは音階のことです。
音階を構成する音の数はいくつでもいいし、それぞれの音の音程の幅にも規定はありません。
一口に音階と言っても、非常にたくさんの種類があります。
また、度数という数字もよく出てくるワードです。
度数とは音程の幅を意味する数字です。
基準の音と比較して同じ音なら「1度」と数えます。(またはローマ数字のⅠとします。)
その後は音階の音に沿って2度(Ⅱ)、3度(Ⅲ)と数えていきます。
上の図ではドを基準に数えていますが、基準にする音はどれでも構いません。
例えば、ミとラであれば4度(Ⅳ)の関係にあると表現します。
また、音階にはその雰囲気を出すのに非常に重要な役割を持った音があり、それぞれに特別な名前がついています。
・主音
音階の始めの音のこと。この音を基準に音階は形成されるので、音階で一番大事な音です。
・下属音
主音から4度上の音のことです。コード進行でお世話になります。
・属音
主音から5度上の音のことです。コード進行では特に超重要な音です。
・導音
主音の7度上の音です。次に主音が聞きたくなる性質があり、特に大事です。
長調や短調の違いや成り立ち、スケール練習のコツについてはこちらの記事で紹介しています。
基礎的ですが非常に重要ですので、ぜひご一読ください。
Ⅳ.「アウフタクト」って何?
曲の練習に移ると「アウフタクト」という言葉をよく耳にします。
「アウフタクト」とは「小節の途中からフレーズが始まること、もしくはその部分」を指すドイツ語の言葉です。
日本語では「弱起(じゃっき)」と言います。
『ハッピバースデートゥーユー』の曲を例に見てみましょう。
この曲は4つのフレーズから構成されていますが、各フレーズの出だしは小節の1拍目ではなく、3拍目から始まっています。
このように、1拍目以外からフレーズが始まることを「アウフタクト」と言います。
また、はみ出ている部分(下図の赤い部分)も同様に「アウフタクト」と呼びます。
これだけです。
「アウフタクト」は一度理解してしまえばすぐに使いこなせるワードだと思います。(#^^#)
他にも様々なアウフタクトの実例を紹介していますので、気になる方は過去記事をどうぞ。
Ⅴ.「アーティキュレーション」って何?
合奏中にはアーティキュレーションについてよく指示が出ます。
アーティキュレーションとは、音のニュアンスのこと
音を短めにしたり、音を長めにしたり、音を際立たせたり等、音への細かい指示のことです。
アーティキュレーションは様々な記号で楽譜に示されています。
それぞれのアーティキュレーションについてアメリカの大衆民謡である「オーラ・リー」をもとに、見ていきましょう。
まずはアーティキュレーションがないとき。
例えばこれに「スラー」というアーティキュレーションを加えるとこんな感じになります。
少し優雅な雰囲気がある気がしませんか?
「スタッカート」というアーティキュレーションの場合ではこのようになります。
こちらでは少し急いたような雰囲気を感じられますね。
このように、アーティキュレーションによって曲の雰囲気はガラッと変わります。
では実際にアーティキュレーションはどうやって変化させているのでしょうか?
それは、音形を変えることで音のニュアンスを変化させています。
そのほかのアーティキュレーションや 音形の変化については過去記事で紹介しているので、そちらをご覧ください。
合奏はアーティキュレーションを合わせる場と言っても過言ではありません。
細かな音のニュアンスが、演奏の質を左右するのです!( ;・`д・´)
Ⅵ.「シンコペーション」って何?
シンコペーションはポップスの合奏をしているときに特に頻繁に使用されるワードです。
「シンコペーション」とは「強拍のタイミングをずらすこと」を指します。
ん?強拍とはなんぞや?
となる方も多いと思いますので、簡単に強拍についても説明します。
強拍とは、小節の中で強く演奏する拍のことです。
4拍子の例を見てみましょう。
4拍子では1拍目が一番強く(強拍)、3拍目が二番目に強く(中強拍)、その他の拍は弱い弱拍となっています。
拍に強弱をつけることで拍子感が生まれることが分かると思います。
シンコペーションではこの強拍のタイミングがずれるのです。
例を見てみましょう。赤く示した部分がシンコペーションです。
先ほどと比較して強拍のタイミングがずれ、4拍目の裏に強拍が来ていることにお気付きでしょうか?
これがシンコペーションです。
シンコペーションは「弱拍音が同じ音程の強拍音にタイで結び伸ばされているとき」に発生します。
シンコペーションなし
シンコペーションあり
実はこのシンコペーションとは、観客への裏切り行為なのです。
え?何が裏切りなの?
という方はぜひ過去記事をご一読ください。
シンコペーションにとって「裏切り」というワードは非常に重要です。
とても重要なので覚えておきましょう!
Ⅶ.最後に
合奏では普段聞きなれない言葉がたくさん飛び交います。
しかし、ここで解説したワードを理解していれば大丈夫!
ほとんど困ることはなくなるでしょう。
はじめは覚えることがたくさんありますが、合奏に出ていればそのうち慣れてくると思います。
あの言葉どういう意味だったっけ?となったときに見返していただければ幸いです。
ここまでお読みいただきありがとうございました。(#^^#)
合奏では他にも和音関係や表情記号など、たくさんの音楽用語が飛び交います。
そのあたりは発展編として今後記事にしていこうと思っています。
それではまたほかの記事で(^^)/
<過去記事紹介>
ようこそ吹奏楽の世界へ!ということで、各楽器の魅力を紹介しています。
希望通りの楽器になった人は自分の楽器がもっと好きに、希望と違う楽器になった人は、自分の楽器の知らない魅力に気が付くかもしれませんよ(^^)/
音楽の歴史を知れば、クラシックが超面白くなる!
↓の記事ではクラシック音楽では欠かせない音楽史について超簡単にまとめています。