これだけは知っておきたい合奏用語かんたん解説!! 第3回 スケール(音階)<長調と短調>
指揮者「じゃあ基礎合奏の最初はベードュアーのスケールからやろうか」
奏者(は?べードュアーって何?スケールって何??)
皆さんこんにちは!
このブログの筆者のドミトリーです!(^^)/
このシリーズは合奏用語解説と銘打ちまして、吹奏楽の合奏でよく使われる言葉について解説をしています。
初めて合奏に加わる人にもわかるよう簡単に解説しますので、この記事を読んで指揮者の言っていることをどんどん理解していきましょう!(^^♪
前回の第2回では、「チューニング」について解説しました。
チューニングの時間が怖い(´;ω;`)
という方向けに、チューニングをやり過ごすコツや、チューニングが怖くなくなる練習方法について紹介していますので、ぜひご一読ください。
さて、第3回は「スケール」について解説します。
基礎合奏で「スケール」の練習を取り入れているバンドは多いと思います。
しかし、多くのプレイヤーは漫然と「スケール」練習をしているだけで、「スケール」練習の目的を意識して吹いている人は非常に少ないです。
また、複雑な運指をスピーディに切り替える必要があるので、「スケール」練習は初心者にとって難しい練習の一つでしょう。
そんな「スケール」練習ですが、ある点に注意しながら練習することで、初心者から上級者まで、非常に多くのメリットがある練習なのです。
そこで今回は
・ そもそも「スケール」とは何なのか
・「スケール」を練習するメリット
・「スケール」を練習するときの注意点
について解説していきます。
この記事を読めば、もう「スケール」を練習せずにはいられない!
しっかりとした「スケール」の知識と練習方法を知ることで、今までよりもさらに演奏スキルがアップすると思います!
これまで上の空だった基礎合奏の「スケール」練習が、より充実した時間になるでしょう。
初心者だけでなく、そろそろ基礎合奏に慣れてきた中・上級者の人にもぜひ読んでいただきたい内容です。
ーーー簡単な自己紹介ーーー
私は現在とある一般サークルのバンドで指揮者をしています。
しかしこれまで音楽の勉強を真面目にやったことがない「愚か者」でした。
ドラッカーの本を読んで、これを猛省し、現在は音楽の勉強をするようになりました。
ここでは音楽初心者から経験者まで、ご自身の音楽活動に役立つように、私が勉強したことをわかりやすく発信していきます!
Ⅰ.「スケール」って何?
「スケール」とは日本語でいう「音階」のことです。
具体的にどんなものがあるのか、詳しく見ていきましょう。(^^)/
1.スケールの定義とその種類
音階について本で調べてみると、
『高さの違う音が順番に規則正しく並んでいる状態を音階(scale)といいます。』(坂口 博樹著 『「しくみ」から理解する楽典 43p参照)
と記載されています。
簡単に言うと「ドレミファソラシ」の音の並びのことです。
現在ではこの7つの音でできた音階が主流で非常に有名ですね。
7音の音階のほかにも、6音でできたブルーススケール、日本古来からある5音のヨナ抜き音階、同じく5音の琉球音階など、様々なスケールが存在しています。
音階を構成する音の数はいくつでもいいし、それぞれの音の音程の幅にも規定はありません。
一口に音階と言っても、非常にたくさんの種類があるんですね。(*・ω・)(*-ω-)(*・ω・)(*-ω-)
吹奏楽やクラシック音楽では主に以下の2つの7音の音階を使って音楽が作られます。
この2つのスケールを知っていれば、ほとんどの曲を演奏することはできるので、今回はこの2つの音階を軸に解説をしてきます。(^^♪
長調と短調の2つの音階は17世紀のヨーロッパで生まれた音階とされています。
それ以前では教会旋法やグレゴリオ旋法というものが主流でしたが、それらではどれも似通った曲になってしまい面白みがありませんでした。
そこで、音楽に変化をつけたり、いくつもの声部で和音を作ったりする動きが盛んになって、徐々にこの2種類の音階による音楽にとって代わったとされています。*1
現在の吹奏楽やクラシック音楽はヨーロッパで広がった教会音楽から発展してきた文化です。
なので、昔のヨーロッパで広がりを見せたこの2つの音階が今でも多く使われています。
音楽の歴史については別記事にまとめています。
過去の音楽文化の歩みを知ることで、より一層理解が深まることは非常に多いので、ぜひご一読ください。(^^)/
dormitory0108.hatenablog.com
2.スケールの基礎知識(全音と半音、音の度数や導音)
スケールの説明に入る前に、スケールの説明でよく使う用語の説明をしておきます。
もう知ってるよ!という人は読み飛ばしてください。(#^^#)
スケールの説明では以下のような言葉がよく出てきます。
(1)全音と半音
(2)音の度数とそれぞれの名前(主音、導音)
少し慣れない表現が増えますが、これらはスケールの解説のほかに、和音やコード進行の説明でも頻繁に使われます。
これを理解することで、音楽の分析ができるようになって、音楽表現がより広がるようになりますので、頑張りましょう!(^^)/
(1)全音と半音
「全音」と「半音」はスケールの説明に頻繁に出てくるワードです。
この機会に覚えてしまいましょう。
ピアノの鍵盤を見てみると、1オクターブの中に白鍵と黒鍵合わせて12個の鍵盤があります。
このように、1オクターブは12個の音に分割されています。
その最小単位、隣合う鍵盤同士の関係のことを「半音」と呼びます。
そして、半音2つ分の関係、つまり間に鍵盤がある関係のことを「全音」と呼びます。
例えば「ドとド♯」、「ミとファ」などは間に鍵盤がなく、隣り合っているので半音の関係です。
また、「ドとレ」、「ミとファ♯」などは間に鍵盤が1つ入りますので、全音の関係にあります。
(2)音の度数とそれぞれの名前(主音、導音)
スケールや和音の説明の際には、音の高さの幅(音程)についてよく話が出てきます。
例えば、「ドとミの音程の幅」と「ドとラの音程の幅」を比べるなど。
音程の幅は度数という数字で表現しますので、これも覚えてしまいましょう。
基準の音と比較して同じ音なら「1度」と数えます。(またはローマ数字のⅠとします。)
その後は音階の音に沿って2度(Ⅱ)、3度(Ⅲ)と数えていきます。
上の図ではドを基準に数えていますが、基準にする音はどれでも構いません。
例えば、ミとラであれば4度(Ⅳ)の関係にあると表現します。
また、音階にはその雰囲気を出すのに非常に重要な役割を持った音があり、それぞれに特別な名前がついています。
・主音
音階の始めの音のこと。この音を基準に音階は形成されるので、その音階の主役的存在。
音階ではそれぞれの音の高さの幅を決めているだけなので、基準となる主音はなんでもよいです。
つまり、すべての音階は半音階の12音すべてが主音とすることができます。
逆に主音が決まらないと音階が定まらないので、音階の一番大事な音です。
・下属音
主音から4度上の音のことです。
もともと長音階と短音階はその前身である4音の音階(テトラコードと言います)が2つ連結されたもので、下属音は前半のテトラコード終わりを示す音として重要な役割を持っています。
この音を根音とした3和音はサブドミナントと呼ばれ、コード進行では非常に重要な和音になります。
・属音
主音から5度上の音のことです。
後半のテトラコードの主音にあたる音で、大黒柱的存在です。
この音を主音にした3和音はドミナントと呼ばれ、コード進行では特に超重要です。
・導音
主音の7度上の音です。
この音を聞いた人は、次に主音が聞きたくなってしまいます。
どんな音なのか聞いてみましょう。
導音の後には主音が来そうな予感がしますよね。
このように、主音を導くような役割があることから導音と呼ばれます。
昔から音楽では導音を使って次に主音につなげることで音楽を作ってきました。
よって非常に重要な音です。
主音と導音の関係は特に短音階で非常に重要になってきます。
では、基本的な知識の解説が終わったところで、いよいよ次項では長音階と短音階について説明していきます。(#^^#)
3.長音階(ドュアー、メジャー)
まずは単純な長音階から解説します。(^^♪
長音階は主音から(全全半全全全半)の7つの音で構成される音階のことです。
上の図では実音の下に主音からの音の度数と、主音をドとしたときのそれぞれの音のドレミを表記しています。
ドイツ語ではドュアー、英語ではメジャーといい、音階の最初の音である主音の音名を頭に着けて、B(ベー)ドュアーとかC(ツェー)メジャーと表現します。
冒頭の指揮者の発言にあります、「ベードュアー」とはBを主音にした長音階のことだったんですね。(゚д゚)(。_。)
長音階は明るい感じと安定した響きをもつ音階です。
よく聞く普通の音階で、確かに明るくて非常に安定感がありますね。
長音階が安定しているように聞こえるのは、前半のテトラコード(全全半)と後半のテトラコード(全全半)の構成が同じだからです。
後で短調の説明をしますが、短調では前後のテトラコードの構成が異なるので、長音階と変わって非常に不安定になります。
ちなみに、主音をB(ベー)にしたときはこんな感じ
Cドュアーのときと比べると少しマイルドですが、同じように明るい印象のある響きで、Cドュアーと似た雰囲気を持っていますね。
このように主音を変えても音階の雰囲気は大きく崩れません。
(これは短調の場合も同じです。)
ここで、主音をE♭に変えたときの長音階の構造を見てみましょう。
先ほどと同じく、上の図では実音の下に主音からの音の度数と、主音をドとしたときのそれぞれの音のドレミを表記しています。
主音が変わっても(全全半全全全半)の関係は崩れないことが分かりますね。
E♭ドュアーはCドュアーのそれぞれの音を鍵盤3つ分ずらしたものになります。
ちなみに主音に沿ってドの位置を変えることを移動ド唱法と呼び、スケールの説明ではたびたび移動ドの考え方が持ち出されることがあります。
対して、実音のように常にドの位置を固定することを固定ド唱法と呼びます。
ここでは移動ドはイタリア音名。固定ドはドイツ音名で表記しています。
ドイツ音名については第1回の記事で解説しています。
上の図を観察すると、E♭ドュアーでは必ずEとAとHに♭が付くことがわかります。
また、図にはしてませんが、Bを主音とした場合ではEとHに♭が付きます。
このように、実は各主音によって♭や♯の数と場所が決まっています。
これを調号と言い、下図のように楽譜の左端に書きます。
なお、調合は臨時記号と異なって、すべてのオクターブに効力がありますので気を付けてください。(臨時記号はオクターブを超えての効果はありません)
調号は主音によって決まりますので、これを利用して、♭や♯の数からそれが何を主音とした調なのか判断することもできます。
調号の♭・♯の付き方には決まりがあります。
フラットの調号は(シ・ミ・ラ・レ・ソ・ド・ファ)の順で増えていき、主音は最後の調号の一つ手前の音になります。
シャープの調号は逆に(ファ・ド・ソ・レ・ラ・ミ・シ)の順で増えていき、主音は最後の調号の2度上の音になります。
楽譜がどの調で書かれているのかすぐにわかるよう、ぜひ覚えておきましょう。(^^)/
4.短音階(モール、マイナー)
短音階はドイツ語でモール、英語ではマイナーといい、音階の最初の音である主音の音名を頭に着けて、BモールとかCマイナーと表現します。
また短音階は非常に不安定であるために、3つの音階にさらに別れています。
(1)自然短音階
まずは最も単純な自然短音階から解説します。
自然短音階は長音階をすべて3度下げたもので、主音から(全半全全半全全)の7つ音で構成されています。
自然短音階は前半と後半のテトラコードで3度の音(ラとド、ミとソ)が(全+半)の構成になるため、暗い感じがします。
また、前半のテトラコードは(全半全)、後半のテトラコードは(半全全)とその構成が異なっていて、不安定に聞こえます。
実際に聞いてみましょう。
たしかに 暗くて不安定な感じがしますね。
さらに、この音階の最大の特徴であり最大の欠点は、7音(Ⅶ)が次の8音(Ⅷ)の主音と全音の関係となっていて、導音が存在しないことです。
長音階では導音の働きにより、主音が聞きたくてたまらない効果がありました。
<長音階の導音>
では自然短音階ではどうなっているのでしょうか?
聞いてみましょう。
<自然短音階の導音もどき>
長音階の導音と比べると「主音が聞きたい!」という欲求は起きませんね。
そもそも、長音階の導音であるシはドと半音の関係にあることで、導音として機能するのです。
よって、全音の関係であるソとラでは音程に開きがありすぎて、導音として機能しないのです。
では、ここでソを半音上げて、ラと半音の関係にした場合どうなるでしょうか?
聞いていましょう。(^^)/
長音階のときと同じように、ラの音が聞きたくてたまらない感じが出てきましたね!
ソ♯とラが半音の関係なのでソ♯がラの音を導いてくれます。
このことを利用した音階が次に解説する和声的短音階です。
(2)和声短音階
主音から(全半全全半増半)の7つ音で構成されています。
増とは「全音+半音」という意味です。
この音階は7度の音が半音上がっているために導音としての働きを持っています。
そのため、導音を持たない自然短音階と比較して、7度→8度(主音)の流れが非常にスムーズであることが特徴です。
和音の進行にはこの7度→8度(主音)の流れが非常に重要で、この音階は主に短調の和音に使用されるので、和声的短音階と呼ばれています。
実際に聞いてみましょう。
確かに、7度→8度(主音)の流れがスムーズであることがわかりますね。
しかし 注意深く聞くと、6度→7度(ファ→ソ♯)の切り替わりがぎこちないです。
問題の部分を抜き出すと以下のようになります。
このスケールは7度の音を半音上げたことにより、6度と7度の音の間は増音(全音+半音)で、非常に離れています。
この広すぎる音程の幅がぎこちなさを出している原因です。
スケールにぎこちない部分があると、旋律を作る際に違和感が出てしまい、非常に使いにくいです。
そこで違和感をなくすために、6度の音を半音上げて音程の幅をそろえることが考え出されました。
実際に変更したものを聞いてみましょう。
確かに違和感なくスムーズに音が変化しているように感じます。
このような考えで生まれた音階が、次に紹介する旋律的短音階がです。
(3)旋律短音階
和声的短音階は、自然短音階の6度と7度の音を半音上げたものです。
主音から(全半全全全全半)の7つ音で構成されています。
この音階は7音が半音上がっているために導音として働きます。
さらに和声的短音階で見られたような極端な音程の開きもないため、非常にスムーズに音を変化させることができることが特徴です。
これにより、この音階であれば、音の相性を気にせずに旋律を作ることができるので、旋律的短音階と呼ばれています。
実際に聞いてみましょう。
確かにそれぞれの音の移り変わりが非常にスムーズですね。
しかし、3小節目あたりになんだか長調のような雰囲気を感じます。
少し詳しく見てみましょう。
なんと!
ここだけ聞くと完全な長調です。
実は、旋律的短音階は短調の音階なのにほとんど長調の音階と同じなのです。
具体的には3度の音が半音異なるだけで、そのほかの音はすべて同じ音となっています。
だから後半だけを聞くと長調のように聞こえたんですね。
さて、いくらスムーズに音が変わってくれるからと言っても、せっかく短調にして雰囲気を変えようとしているのに長調の雰囲気が入っていては使いものになりません。
そこでさらに工夫をします。
それは、下降するときには自然短音階を使うという手法です。
そもそも、この旋律的短音階が生まれたきっかけは、和声的短音階の欠点を補うことでした。
また、和声的短音階は導音がない自然短音階に無理やり導音を作った音階でした。
つまり、旋律的短音階の生まれたきっかけは「導音」を作ることから始まっていますので、導音が必要ない場面では旋律的短音階を使うメリットはありません。
旋律的短音階は、主音以外の音から導音を経由して主音に移りたいというような、上昇系の旋律に使われます。
逆に主音から次の音に移るような下降系の旋律には導音は要りませんので、自然短音階を使用すればよいわけです。
よって、下記のように下降するときは自然短音階を使用すれば、短調の雰囲気を維持することができます。
これを適用して最初のスケールを修正するとこのようになります。
全体の音の移り変わりをスムーズにしつつ、短調の雰囲気を保っていますね。
このように、短調では上昇するときに旋律的短音階、下降するときには自然短音階を使用することが多いです。
Ⅱ.「スケール」を練習するメリット
初心者の最初の基礎練習と言えばスケール練習です。
先輩や先生から言われるがまま練習している人も多いと思いますが、スケール練習にはメリットがたくさんあります。
せっかく練習するのだから、メリットを知ったうえで練習を頑張りましょう。(^^)/
1.いろんな曲が「すぐ」に吹けるようになる
アマチュア奏者にとって、スケール練習の最大のメリットは楽譜を見て「すぐ」に曲が吹けるようになることです。
吹奏楽やクラシックは先ほど紹介した長音階と短音階で作られることがほとんどです。
よって、スケールが吹けるようになっていれば、どんな曲もちょっと練習すれば吹けますし、慣れてくると練習しなくてもすぐに吹けるようになります。
楽譜をみて最初に吹くことを「初見」と言いますが、初見が強いと、持ち寄った楽譜をみんなでパッと吹くみたいな遊びができて、演奏活動が一層楽しくなりますよ。(*^-^*)
2.音別のムラがなくなり、きれいに曲が吹けるようになる
プロやアマ問わず、本来のスケール練習の目的は音のムラをなくすことです。
例えば、BはよくなるけどHの音の鳴りが悪いというのは、聴衆にとって非常に都合が悪いです。
気持ちよく聞いているとこで急に音が小さくなると、そちらに気がとられて曲に集中できなくなってしまいます。
昔の楽器は楽器ごとに調が決まっていて、鳴りやすい音だけを使うように作曲者が工夫している時期もありました。
しかし現在の楽器は金属加工技術の発達で12音を自由自在に出すことができるので、どんな音がきてもきれいな音を出せる状態が望ましいし、作曲者も制限なく色々な調の曲を書いています。
そこで、全12調のスケールを練習することで、どの調の曲でもきれいな音で演奏できるようにしておくというのが、スケール練習の本来の目的です。
Ⅲ.「スケール」を練習するときの注意点
スケールの練習の目的は上でも説明しましたが、音ムラをなくすことにあります。
ついつい速いテンポで指を動かくすことに集中しがちですが、12調のそれぞれの7つの音がムラなくきれいに鳴るように、気を付けて練習しましょう。
1.テンポはゆっくりから始めよう
スケール練習は♩=60くらいの非常にゆっくりとしたテンポから行いましょう。
スケールの練習は指を動かくことに意識が行きがちですが、指がきれいに動いたとしても、音が鳴っていなければ聴衆にとっては無意味です。
指ではなく自身の音を意識できるように、ゆっくりから練習するようにしましょう。
2.音の間にノイズが入らないようにしよう
ゆっくり練習した際に、次の音へ移るときにノイズが入らないように気を付けましょう。
音の切り替わりでノイズが入ってしまうと、曲中でもノイズが入ってしまいます。
また、将来的に速い連譜を吹く必要が出てきたときに、ノイズだらけになって演奏が台無しになることもあります。
ゆっくり練習しているときからノイズにも気を配りましょう。
テンポはゆっくりですが、運指の切り替えはできるだけ早く行うというのがポイントです。
特に多くの指が同時に動くような音の切り替わりはよく練習しましょう。
薬指は自身が思うよりも動きが遅いことが多いので、注意してみてください。
3.全部の音が均一に鳴るよう練習しよう
今吹いている音と、一つ前に吹いた音の響きに違いがないか確認しながら吹いていきましょう。
これがスケール練習の肝です。
音ムラがないかしっかり確認しながら一つずつ音を出していきましょう。
自分の音をよく聞くことが大切です。
録音すると自分の音がよくわかるので効果的です。
他の音と比べて明らかに鳴りが悪い音がある場合は、経験者か楽器の先生にアドバイスをもらって改善していきましょう。
これを繰り返すことで、音のムラはグッと小さくなって、初めて吹く曲でもきれいな音で吹けるようになってきます。
4.慣れてきたらテンポを上げよう
1.~3.の練習に慣れて、12調のスケールが吹けるようになったら、少しずつテンポを上げていきましょう。
テンポを上げても音ムラには気を配ってください。
ノイズも入りやすくなるので注意が必要です。
♩=240くらいのテンポで12調を吹けるようになれば、もう上級者です。
Ⅳ.まとめ
ここまでお読みいただき誠にありがとうございます。(#^^#)
スケールの練習はかなり時間がかかると思いますが、焦らずに少しずつ、ひとつずつ吹けるスケールを増やしていってください。
そうしているうちに、だんだん曲も吹けるようになってくると思います。
さて、これまでは基礎合奏に焦点を当てて解説してきました。
次回からは、いよいよ曲の合奏で飛び交う合奏用語について解説していきます。
第4回は「アウフタクト」についてです。
Ⅴ.配布物
最後にせっかくなので、全12調のスケールの楽譜を配布します。
スケールの練習にぜひ役立ててください。
Dropbox - スケール集_♯系.pdf - Simplify your life
Dropbox - スケール集_♭系.pdf - Simplify your life
*1:坂口 博樹著 『「しくみ」から理解する楽典 60p参照